根昆布の酢昆布

酢昆布と言えば小さな長四角の赤い箱の都昆布を思い浮かべる。都昆布は大阪の中野物産という会社オリジナルで、創業者が昆布屋の昆布の端切れから駄菓子を作る事を思い立ち、黒蜜の入った酢昆布が始まりだと云う。紙芝居屋から始まり、駄菓子屋、劇場、映画館の売店、駅の売店と販路を広め全国展開となった。赤い箱の中身は白い甘酸っぱい粉に塗された小さな酢昆布、何とも頼りない、切ない味だ。色々なスナックが溢れる昨今でも、ピロータイプとか、切り落としとか色々と工夫して生き残っている。さらに酢昆布が日本人の口に合うのか、中野物産以外にも酢昆布の製造販売をするメーカーが増えた。昆布の産地の北海道はもちろん富山、福井など昆布の名の知れた所にはある。ネットで根昆布の酢昆布と云うのが出てきた。尾道の朋昆と云う昆布屋の製品で小さな根昆布を酢漬けにした物で都昆布と同様白い粉で塗されてあり、都昆布と同じ味がする。都昆布の白い粉は企業秘密で門外不出だそうだが、良く作れたと感心する。都昆布よりだいぶ大きく食べ甲斐は有るが都昆布の様に携帯してチョット一口とはいかない。都昆布は今後とも生き抜くであろう、無くなって欲しくない懐かしい味だ。根昆布の酢昆布はお茶請けに良い駄菓子だ。
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