鮭のハラス丼

丼といえば牛丼、豚丼、親子丼、鰻丼、鉄火丼など和食の中でも庶民に親しまれる日本を代表するファーストフードである。余り馴染みはないが鮭のハラス丼と言うのがある。ハラスとは元々肉の部位を指す言葉だ今では魚の腹の部位を指す言葉となり、ハラスと言えば鮭のハラスをイメージする。ハラスは1匹に2本しか取れない希少部位で油が非常に多く美味しい物だが油焼けが激しく形が揃わないため、商品価値が低く、余り出回らない。それでもパック入り不揃いなハラスが時々手に入る。塩焼、照り焼きにしても、ちゃんちゃん焼きにしても美味しく食べられる。珍しくパック入りのハラスが手に入り、甘辛く照り焼きにしてハラス丼を作ってくれた。鰻丼ほどで無いが脂の乗ったハラスが飯に合い大変美味しかった!ご馳走様でした!!

未草(ひつじくさ)夏の七草

夏の七草の和歌の四番目に出て来るのが未草だ。未草は睡蓮の在来種で日本特有の水性植物です。公園などのいけに浮かぶ色取り取りの睡蓮は明治期に入って来た西洋睡蓮です。睡蓮は切れ込みのある丸い艶々した葉を水面に浮かべ、花も水面に浮かんでいます。未草は湖沼に葉を浮かべ午後2時羊の刻に花を開かせる事から未草と言うのだそうです。モネの油絵で有名な睡蓮は西洋睡蓮で、羊草とは違います。未草は公園の池に派手に咲く花でなく、古より我が国の湖沼にひっそりと白い花を咲かせる涼しげで地味な花です。

とり天

鶏の揚げ物と言えばケンタッキーフライドチキンに代表される唐揚げであり、北海道のザンギ、宮崎のチキン南蛮など全国各地に色々の唐揚げがある。また大分のとり天、鶏の天ぷら、フリットもある。トシちゃんは鶏の唐揚げもとり天も作ってくれるが今日はとり天と舞茸の天ぷら、大葉のかき揚げを作ってくれた。とり天は普通鶏胸肉,ささみで作るのだがトシちゃんは柔らかなふわふわした鶏肉が嫌いで、鶏モモ肉でとり天を作った。最近は鶏肉はブロイラーで昔ながらのシッカリした硬い鶏肉は手に入り難い、鶏モモ肉でも余り硬く無い。鶏モモ肉のとり天は酢醬油で食べた。それ程フニャフニャふわふわせず、確りした歯応えで美味しかった。大葉のかき揚げと舞茸の天ぷらは醬油で食べた。色目は地味で変わっているが美味しかった!

沢瀉夏の七草

夏の七草は春、秋の七草とは違い故事に基く物でなく、明治以後に春秋に擬え作られた物で色々あるが昭和初期,観修寺経雄により短歌で詠まれた物が良さそうだ。「涼しさは葦、藺、沢瀉・・・・」と三番目に出てくる沢瀉は平安時代に中国から渡来し、野生化し全国の湖沼湿地に繁茂している。葉が鏃(やじり)の様に尖り60センチ程になる抽水性植物で白い花が咲く、慈姑(くわい)の同族だ。家紋にデザイン化され沢山の家紋がある。確か我が家は丸に沢瀉だったと思う。食用では無いが漢方薬(利尿剤)である。観賞用植物として鉢植えで育てられている。

リンゴジャム

リンゴが出始めました。リンゴジャムを食べたいと言うとまだ紅玉が出ないのでダメだとトシちゃんは言います。ジャムを作るのにリンゴなら何でも良いと言う訳でない様だ。ふじを始め沢山の種類のリンゴが溢れており国光などと共に消えかかっていた紅玉も最近時期に姿を見せる様になった。ジャム用リンゴと言えばまず紅玉らしい、アメリカ原産のリンゴで明治時期に導入された。アップルパイなどの加工用にも適していると言う。その他ジャム用りんごとしてアメリカ生まれのジョナサン、日本で生まれた陸奥などがあると言う。何れも加工用に適している。小さい頃ジャムと言えばリンゴジャムであったし、ジャムパンのジャムはリンゴジャムだった。

藺(藺草)夏の七草

夏の七草の二番目は藺(い)です。その昔花茎の白い芯が油を良く吸い燈火の灯芯として使われていたため燈芯草とも呼ばれています。水辺や湿地に先の尖った棒状の茎を林立させる珍しい植物です。棒状の茎は花茎で泥中の地下茎から伸びる。花茎は1メートル以上となり畳表の材料となる。畳の張り替えが終り畳に転がり新しい畳の香りに安らぎを感じるのは藺草にフィント、バニリンと言う物質があり、森林浴と同じ効果をもたらすからだと言います。藺草の原産地はインドで日本、中国、台湾、朝鮮に分布し栽培されている。国内の主生産地は畳表の主生産地の熊本だが一部岡山広島でも生産されている。葦と同様華道の材料としても使われている。写真は野生の藺と花道に使われた藺の一例です。

イチゴジャム

私は良く果物のジャムを作った。イチゴは時期の終りとなると商品価値の劣る小粒の屑イチゴが通常の4分の1と安く出回わった。この屑イチゴを使ってジャムを作った。屑イチゴの無い時は普通のイチゴで、増量材としてトマトを使うと良いと言うがこれは試した事はまだ無い。屑イチゴ1パックの中に2〜3個大きな物が入っているので食用とし小粒のイチゴでジャムを作った。大きいのを除いて4パックでほぼ1キロだ。小粒のイチゴを桶に入れ水で洗いながらペティナイフでヘタを取りザルに入れ水を切る。水の切れたイチゴを琺瑯の鍋に入れて砂糖を塗す。使う砂糖はイチゴの3割程度、さらに色止めにレモン1個分を絞り込み、1時間程寝かせると砂糖が溶けて汁が上がって来る。レモン汁を入れないと色が黒くなり綺麗な赤いジャムは出来ない。イチゴ汁の上がった鍋を火にかける。大きく泡立てきたら中火とし焦げ無い様に灰汁を取りながら混ぜて行く。泡が小さくなり、トロミが出て来たら、ジャム液をコップの冷水に垂らし底まで落ちたら出来上がり。消毒した瓶に詰める。トシちゃんは良くジャムを作ってくれるが安いジャム用のイチゴが手に入らないのでイチゴジャムは余り作らない。