陶磁器(15)土鍋と伊賀焼

日本人は鍋料理が好きだ。何処の家にも土鍋の一つは持っている。私も鍋料理が好きだ。若い時には織部紛いの緑色の絵柄の土鍋を持ていた。土鍋と言えば、ほとんどは萬古焼と言われるが、伊賀焼が上物と言われている。土鍋は洗った後良く乾かすのを忘れては駄目だ!!!良く乾かさずに使うとヒビが入ったり割れたりして更新されて行く。土鍋にヒビが入った時は粥を炊き一晩寝かせて洗い良く乾かして使う。鍋の最後に雑炊を作れば良い訳だ。横浜に帰って来てからは織部模様の緑色の絵柄の土鍋と敦賀で使っていた三島の土鍋を使っていた。三島とはねずみ色の地に花柄や十字などを刻印して白土を象嵌した焼物である。土鍋は伊賀焼と云うので、捜したがなかなか出会えず、伊賀上野に出かける事もなかった。鍋で味が変わる訳でもなしと忘れかけていたが、テレビで田園調布の土楽と云う店で伊賀焼の土鍋を置いていると放映された。早速としちゃんと田園調布へ出かけた。田園調布は静かな屋敷街で、あまり活気が無く住みたいと思える町でもなかった。坂の途中に目立たぬ小さな店が土鍋を置いていた。その店が土鍋を置いている土楽だた。多少高かったが、中くらいの土鍋を購入した。散策するまでもない町なのでそのまま帰って来た。何度か鍋をやったが味に変わりはなかった。その後土鍋で飯を炊くと美味しいと云う事で、としちゃんは土鍋を購入して来た。飴色の寸胴形の土鍋だ。土鍋は伊賀焼でなく湖東焼と云うのだそうだ。湖東の湖は琵琶湖の事である。土鍋で炊いた飯は確かに美味い、鍋料理と違う。ただし違う土鍋で炊いた飯とは比べていない!!もちろん伊賀焼の土鍋とも!!!