陶磁器(11)無名異焼

無名異焼は新潟県佐渡の陶器である。佐渡は若くして亡くなった学友の菊池の故郷で、夏休みを利用して菊池の家を頼って訪れたことがある。その頃は陶磁器に興味は無かったし金も無かった。何だか赤褐色の値段の高い茶碗があるなと思ったぐらいだった。陶器に興味が出て色々と本を読むうちにあの時の赤褐色の茶碗が無名異焼だと知り、あの時買っておけばと思った。無名異とは佐渡の金山から出る酸化鉄の多い赤土で質の悪いベンガラということ、止血の漢方薬としても使われると云う。最近家にこの無名異焼の夫婦茶碗がある事を知った。箱入りで高そうだ、私は買った覚えはない。としちゃんの言うにはお義父さんがお土産に貰った物ではとの事。赤褐色の焼締であるが常滑の朱泥とはまた変わった趣がある。矢野の兄が、仕事でしばらく佐渡で単身生活をしていたので、佐渡の話は兄に任せる事としよう!!!