鰊は北海道を代表する魚で、乾燥した身欠き鰊として全国に流通していたが気候変動のせいか、乱獲のせいか、昭和30年を境にパッタリと獲れなくなり、数の子も輸入品の塩数の子となっている。私が北海道に居た昭和53年頃は観光客相手に居酒屋で焼き魚として見る程度で、スーパーなどではあまり見かけない様になっていた。この鰊のマリネを食べたのが苫小牧の洋食屋で、めづらしい料理だった。北海道の漁連が鰊の復活を目指し稚魚の放流を始めた事から少しづつ漁獲量が増え、生鰊がスーパーで見られる様になり、新しい鰊が手に入るとマリネを作ってくれる。青魚は酢でしめ、しめ鯖、しめ秋刀魚などと、和食として食卓に現れるが鰊はマリネとして洋食で出て来る。青魚は足が早いので生でなく酢で締めると言う事だが鯖が和食で鰊が洋食と言うのは何故か不思議である。